香りの観察日記

一般人が個人的な香りの感想を記録していくためのブログです。

アルマフ / Club De Nuit Intense Man

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クラブ ドゥ ニュイ インテンス マン。

この香りを一言で表すと、スモーキーなパイナップル。男らしくセクシーでくどすぎない。俗に言う「女受けの良い」部類の香りだと思う。

個人的にはフレグランスに対してそういう表現を使うのは好きではないのだが、まあ確かにこんな香りの男性が居たら確かに好印象かもなあとは感じる。

無臭を美とする日本においてフレグランスが必要とされる場面は少ないが、異性を落とす!といったような場面での需要はある程度あるようだ。モテ香水。似非フェロモン。そんな用途で香水を使用する一定層の人達は、おそらく香りそのものの魅力には目を向けないし興味もないだろう。

ああ、もったいない…。ただただそう思う。鼻がある程度肥えて、良い香りを探すにあたって、どうしてもそんな不名誉なレッテルを貼られたフレグランスはなんとなく倦厭しがちだ。その中にも素晴らしい香りが沢山あるのだが、天邪鬼精神というのだろうか、なんとなく手が伸びにくい。

今回紹介する香りは、俗称モテ香水であり、かのクリードのアヴァントゥスに似ていることで有名になった香りでもある。つまり、二重の色眼鏡越しに評価されてしまうことも少なからず…かもしれない。

しかし筆者は幸か不幸か女であり、かつ本家アヴァントゥスの香りを知らない。なので、前置きが長くなってしまったが「Club De Nuit Intense Man(以下CDNI)」そのものの印象を書き連ねていきたい。

オープニングはレモンを筆頭にパイナップル、ライム、ブラックカラント、グリーンアップルなどのフレッシュなフルーティシトラス。その爽やかさを楽しんでいると、すぐにバーチやパチョリの土や煙っぽさと共にジャスミンやローズのフローラルが追いかけてくる。

筆者はどうもこのミドルだけが好きになれない。レザー調の煙たさ、フルーティなフローラルが絡まり合う。なんというか、男っぽくかなりセクシーだ。決して悪い香りなわけではないのだが、個人的に何故かタクシーの中の匂いを思い出してしまうのがよろしくない。今の肌の上では香り達が上手くバランスを取れていない印象だ。

その後、肌には渋みのあるスモークウッディが残る。そしてこの香りが驚くほど長く続く。全体のコストパフォーマンスに関しては最強クラスだろう。

筆者はこの香りを専らコンバイニングに使用している。単体での使用はこの季節だとバーチとパチョリばかりが前に出過ぎる気がするからだ。しかしこれは欠点ではない。これらのウッドノートは香りに奥行と深みを与えてくれる。

メインの香りを纏う前にCDNIを肌に馴染ませ、スモーキーさが際立ってきた頃にメインの香りを重ねる。もちろん相性の善し悪しはあるが、ある時はメインの持続性を飛躍的にアップさせ、またある時は超ポップな香りをアンニュイでミステリアスな香りに変化させた。元々コンバイニングはあまりしなかったのだが、フレグランスの新しい楽しみ方を教えてもらった気がする。

一時は正直、ミドルがあまりに苦手で手放してしまおうかと思っていた。しかしすぐにその判断をしなくてよかったと思っている。現在はメインでの活躍の機会はあまりないが、もう少し涼しい季節になった頃に主役としてどんな表情を見せてくれるか非常に楽しみなフレグランスである。