香りの観察日記

一般人が個人的な香りの感想を記録していくためのブログです。

CHANEL / NO.19 EDP

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コレクションの中に必ず1つは持っておきたい香りといえば、TPO問わずに纏えるものだろう。かと言ってありきたり過ぎても面白くないので、以外にコレだというものに出会うのは難しかったりする。

他者に不快な思いをさせず、かつ美しい香りだと感じる、究極の万能香水として特筆して気に入っているのがこのNO.19のオードパルファムだ。

トップはジャスミンベルガモットとグリーンノートによる爽やかな幕開け。 ミドルからはアイリス、スイセン、ローズ、スズラン、イランイランなどのフローラルが優しく混ざり合い、ほんのり甘くパウダリーな雰囲気になってくる。 ベースのパチョリ、サンダルウッド、オークモスは後ろの方で香っているが、ウッディ系の図太い主張をするのではなく、全体の奥行きを作る役割を果たしているように思える。

一見すると、クリアさとパウダリーさは相反する香り立ちに思えるが、互いが絶妙なバランスで釣り合っているおかげか、とても優しく上品な印象だ。 カジュアルすぎず、気高すぎない。 服装、年齢、性別に拘らず、人を選ばない。どこにでも気負わず纏っていける、いい意味での取っ付きやすさや懐の深さがある。 持続性や拡散性の面においても計算され尽くされたかのように、かなりの耐久力がありながら拡散性に関しては弱め、ふんわり肌の近くに漂っており、身動きを取るたびにさりげなく香る。

香水はただ強く長く主張していればいいというものでは無い。 「つけ直しが必要無い程度に長く、けれどさりげなく」。どんな1日にも適切な立ち位置で寄り添ってくれるのが嬉しい。

1970年から愛され続ける作品でありながら、古臭さは全く感じない。むしろ奇をてらうことのない純粋な美しさに毎度うっとりする。 時代を超え、今もなお現役ランナーであるNO.19。人々を飽きさせず魅了し続けるのも納得だ。